ありがちな薦めになりますが、数学の受験勉強は、チャート式(黄色)を基本に進めていくのが一番良いでしょう。
受験勉強という目的においては、問題・解説の質、網羅性の点で、チャート式に勝る参考書というのは、そうそうありません。
(ただ、改定後は若干見辛くなった印象を受けます。それがどうしても耐えられないようなら、違う参考書を使った方がいいです。)
なお、多くの生徒がチャート式を使いながら、必ずしも皆が数学で点を取れるようになるわけではないのは、進め方に問題があるためです。
色々方法はあると思いますが、私が担当生徒に勧めている方法は以下の通り。
基本部分を一通り終わらせてから、頭に戻って応用部分はこなしていけばよい。そうしないと、進むスピードが著しく遅く、モチベーションがどんどん下がっていく。
②全ての問題を同程度にやる必要はない
センターや志望校で頻出の分野には時間と労力をかけ、そうでない分野は深追いしない。(どの科目でも共通)
③復習の後に、その日の内容に入る
これは、前日「まで」の内容を復習した上で、その日にやる内容に入るということ。前日だけではない点に注意。
この方法を採ると当然時間はかかりますが、それまでにやった内容が記憶に残り続けます。逆に、この方法を取らないと、最後までこなした時には、既に大部分を忘れてしまっている可能性が高い。高校の授業で習った内容を「もう1度」やり直す必要がある生徒は、まず間違いなくそうなる。
忘れたらやっていないのと同じなので、記憶の蓄積こそが重要だと意識し、前日までの復習→新しい部分 という方法を守った方がいいでしょう。
なお、理想としては、最後の部分をやる際には最初からその手前までを復習することになるわけですが、それはさすがに無理なので、5回(=5日)程度反復したら、その部分は復習内容から外すといいでしょう。
ただし、忘れては意味がないので、定期的な復習を忘れずに。
なお、青ではなく黄チャートを進めるのは、ほとんどの生徒は黄チャートをこなした上で、志望校などの過去問をこなした方が効率がいいためです。
もし黄色では物足りないと思っても、青に切り替えずにさっさと黄色を仕上げて、その分過去問を多くこなした方がいいでしょう。
ただ、チャート式(黄色)では難しすぎるという生徒も中にはいるでしょう。
そのような生徒には、『とってもやさしい数学1・A』をお勧めします(「若干」難しいという生徒は、白チャートの方がよい)。
私がこれまで見た参考書の中では、間違いなく一番易しい内容となっています。これなら、数学が苦手な生徒でもこなしていけるでしょう。
そして、その1・その2を数周終えたら、一度志望校の過去問にあたり、出題分野とレベルを確認してから、チャート式(黄色)(白チャートでもよい)などで必要なものを補っていくとよいでしょう(全てをやる必要はない)。
もし『とってもやさしい数学1・A』さえこなせなければ、小学算数や中学数学からやり直すべき状態です。
そのような段階からやり直すのは嫌に思う生徒もいるでしょうが、それでもやらなければ永遠に数学はできるようにはならないし、自分がそれまで努力を怠ってきたツケが回ってきたということなのですから、甘えずに小学算数や中学数学をやり直してください。
(→中学数学の参考書については、コチラのページを参照)