多くの受験生が避けたいと望みながらも、避けられないのが地歴科目。
このページで紹介するのは、その中の「世界史」についての教材です。
歴史科目は、結局のところ暗記です。
ただし、歴史には「流れ」があります。それを掴めるかが、勉強への意欲を保てるかどうか、記憶を保持できるかどうか、そして、受験で点を取れるかどうかという点で重要になるでしょう。
一つひとつの事柄に全く関係がないのであれば、それを暗記するのはかなりの困難を極めますが、歴史というのはそういったものではないのです。
以上を踏まえ、お薦めできるのが、『きめる!センター世界史』です。
以前このページで薦めていた『はじめからわかる世界史B』上下巻の内容がほぼそのまま1冊にまとめられた本で、歴史の流れがよく分かり、「理解」が得られる作りとなっています。
『はじめからわかる世界史B』は、上下巻に分かれていることと、索引がないことから次点として紹介していましたが、その点が解消されたことで、利用価値が一気に上がったと思います。
ただし、(どの参考書を使う場合も同様ですが)この本を読み進めるにあたっては、立ち止まらずに一気に読むように心がけてください。
受験の世界史で必要な知識というのはかなりの量があります。それを一読して全て修めるというのは、常人には不可能でしょう。始めから何周か読むことを前提に、流れの理解に重点を置いて読んでいく。そうすれば、知識は自然と累積されていきます。
(最初から100%を目指さないのは、どの科目でも共通です。)
また、この本を何周かすれば受験に必要な知識の多くは身に付くと思いますが、文化史の類の説明が少なすぎる(簡単なまとめしかない)ので、その点は問題演習をしながら、補う必要があります。その際には、資料集などを活用しましょう。
なお、世界史のウエイトが低く、世界史の勉強に時間をかけられないという生徒には、山川出版の『スピードマスター』を使うことをお薦めします。
山川出版の教科書に対応しているので、教科書をさっと一単元読んだら、該当する箇所の穴埋め問題を解くという手順で使うとよいでしょう。
そして、解いた「問題を」何度か確認しつつ、単元を進めていきます。忘れてしまったら、やっていないのと変わらないですからね。
横の繋がりの知識は足りないでしょうが、後は過去問などを解きながら、必要な知識をこの本に書き込んでいくことで対応しましょう(または、過去問などの方に必要な知識を書き込みます)。
なお、『スピードマスター』は既に述べたように教科書準拠で作られているので、受験でほとんど出ないものも載せられています。そういった箇所はもちろん、飛ばして構いません。
そして、『きめる!センター世界史』が出てきたため次点となりますが、『タテから見る世界史』(+『ヨコから見る世界史』)もお薦めできる参考書です。
『タテから見る世界史』のよい点は、地域ごとにその通史を完結にまとめていることに尽きます。
情報量が多すぎずコンパクトにまとめられている(中国史でさえ17ページ)、各地域間をいったり来たりしないという点で、情報を整理できる作りとなっています。
ただし、現在は絶版状態。残念ですね。
——17/10/16:追記——
2017年4月に新版が発売されました。嬉しい限りですね。
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