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文章問題(国語・英語)のコツ

 国語、英語共に、文章問題(読解問題)を苦手としている、あるいは「苦手意識はないが実際には点を取れていない」生徒というのは案外多いだろう。私が指導する生徒も、大半はそのどちらかである(つまり文章問題が出来ない)。

  それは主に、学校で文章問題の解き方を教わらないことや、文章の形で問題が提示されていることが根拠のない「解けるという自信」を誘発するといったこと、あるいは、上手く解けないことを自覚できても、どう解けばいいのかという具体的な方法に自力では到達しにくいという事情などによるものだろう。

 ここでは細かい解き方・考え方にまで言及することはしないが、以下に担当生徒によく言って聞かせることを示しておくので参考にしてもらいたい。
 

 まず、「文章問題を解く」ことと、「読書をする」ことは全くの別物である、ということを強く意識することが重要である。

 当たり前、であるはずなのだが、文章問題が出来ない生徒の多くはまずそこで躓いているように見える。

 生徒に文章問題を解かせると、最初はかなり高い確率で、いきなり本文を読みだす。その時点で、その生徒らは「本文を読む目的」といったことを全く意識できていない。

 本文を読む目的とは、「(後に続く)問題を解くため」に決まっている。なのに、その問題を把握しないで本文を読みだせば、「本文から何が分からなくてはいけないか」を把握しないままに、ただ本文を読み進めることになる。
 
それはもはや読書
であり、多くの生徒は読書した後に問題を眺めている状態なのである(しかも、その読書の段階で本文の内容を理解できていない)。

 本文というのは、(本質的には)それを読んで何か新しい知識や視点を獲得させるためにあるのではない。それは普段の授業や読書が担うものである。

 文章問題の本文は、「問題を解くために載せられている」のだと考えること。そう考えれば、本文はあくまで「問題を解くための道具」である(本文を読むこと自体が目的なのではない)だと分かるだろう。

 

 そして、それを踏まえれば、

 最初に一通り問題に目を通し、「何を理解しなければいけないかを理解」した上で、本文を読む(本文にあたる)

 というスタイルで問題にあたれるようになるだろう。

 

 そして、本文にあたる際には、「答え探し」のイメージで読み進めるとよい。

 本文は問題を解く際の道具に過ぎないのだから、不要な箇所は飛ばしてよい。本文を理解することが目的ではないのだから、いまいち内容が理解できない箇所があっても、問題を解くのに必要でなければ気にせずに進めばよい。(極論を言えば、問題が解けるなら一切本文を読む必要もない。)
 問題の答えが分かったら、そのタイミングで解いていけばよい。問題の順番などは気にする必要などない。
 

 以上のことを意識し、実践するだけで文章問題はかなり解きやすくなるだろう。

 

 ただ、当然ながら、元々の語彙力や読解力、理解の基礎となる教養的知識が「あまりにも」欠けていれば、いくら解き方を工夫したところで、得点率は上がらない(上がりようがない)。

 それらは基本的には読書などで身につけるものだが、文章問題(特に国語の文章題)を「多く」こなすことでも、多少は身につけることができる。問題のパターンや本文のパターンに慣れるという点からも、文章問題はなるべく多く解いてみることをお勧めする。

 (「文章のストックを増やせば増やすほど、文章問題を解くのは容易になる」ということについては、「読書はさせるべきか」のページ内で述べているので、そちらも参照。)

 

 また、(英単語と同様に、)日本語の語彙を、参考書等で学習することも薦めておきたい

 特に、普段の生活において、ある程度以上に高度な(抽象度の高い)内容の文、会話に触れる機会のないような生徒(ほとんどの生徒はそうだろう)は、意識的に語彙の学習をする必要がある。そうしなければ、いつまで経っても語彙のレベルは変わらない。
 語彙のレベルが変わらないということは、それは「知能」が変わらないということと同義と言ってもいい。なぜなら、ヒトは言語によって認知、思考、対話をする存在であり、つまりは、言語をベースに生きる存在だからである。

 学校の成績や受験の対策としても語彙の学習は必要だが、それ以前に、語彙は「知能」に関わることなのだ。
 早めに、一度、まとめて語彙を増やす機会を持つことを、強くお薦めする。


 なお、その際に使う教材としては、

 中学生には、『国語力を伸ばす語彙1700』


 高校生には、『現代文キーワード読解』


 これらが私のお薦めである。

 どちらも、単語や連語の知識だけでなく、その単語などに関連する知識(教養)や、文章のストックも得られる作りになっており、文章を理解する力として必要なものが詰まった、良い教材である。

 

 ただ、”あまりに”語彙力に欠ける生徒だと、『国語力を伸ばす語彙1700』はこなせないかもしれない。その場合には、『中学生のための 語彙力アップ 厳選1000語』などがお薦めとなる。

 

 最後に小学生向けのものも挙げておけば、『ふくしま式「本当の語彙力」が身につく問題集』が私のお薦めとなる。


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