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英検2次(面接)試験のコツ [準2級(2級)]

 2次試験が近くなると、よく対策授業を頼まれるのですが、1回や2回の授業で、発音やスピーキングの力が飛躍的に向上するということは、まずあり得ません

 そのため、対策授業では毎回、「①試験の流れ」「②質問のパターン」「③応答文の型」「④原稿読み上げ(音読)のコツ」(+心構え)といった、比較的すぐ身に着くことを教えるようにしています

 
 以下、その内容を簡単に記しておきます。

 
 なお、英検の2次試験を受けたことがなく、形式などを全く知らない人は、英検公式HPのこのページにある2次試験の「問題と解答のサンプル」などを確認しながら、以下の内容を読むことを勧めます。
 
 また、以下の内容は、準2級の2次試験についてのものになりますが、2級の場合も絵の状況についての説明に「流れ」の要素が加わるだけで、他はほぼ同じ形式です。2級の2次試験受験者も、ぜひ参考にしてください。  

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①試験の流れ

 これは言うまでもなく、会場に入ってから会場を出るまでの流れのことです。

 確認するまでもない、と思う人が多いかもしれませんが、どんなものでも、先の展開が分かっているのといないのでは、心理的な余裕の度合いが変わってきます。

 特に、英検2次試験のような試験時間が短く(10分程度)、しかも形式が対話式の試験の場合には、少しの焦りや動揺が如実に現れかねません。

 また、先に全体を大まかに知っておくことで、その中の各部を理解しやすくなるのは、何事も同様です。

 

  なお、試験の流れは、英検公式HP内の「バーチャル二次試験」で確認できますので、対策を始めて最初に見ておくことをお勧めします。

 音声も付いていますし、わざわざ公式がポイントの説明などもしてくれているので、活用しましょう。

 


②質問のパターン  

 これが肝と言えば肝。

 英検の2次試験は、質問のパターンがほぼ決まっています。

 当然、それを知っておけば、相手の言うことが理解しやすくなるとともに、応答も容易になります。
 また、緊張などのために質問がよく聞き取れなかったとしても、パターンを理解しておけば、聞き取れた部分から、何を答えなくてはならないか予想できる可能性が高まります。

 このパターンの具体例は、次の③で応答文の型と一緒に説明します。

 


③応答文の型

 質問のパターンがほぼ決まっていれば、それに答える文のパターンというのも、ほぼ前もって決めておくことができます。
 それを理解し、覚えておけば、試験も楽に進めることができるでしょう。
 
 ごく簡単に記しておくと、まず原稿の読み上げ(音読)の後の1問目で は、原稿の内容に関して、「~はなぜか(WHY)」「どのようにして~か(HOW)」と聞かれます

 これに答える際は当然、その理由や方法を述べればよい

 ”Because ~.”や” By ~.”で答えるように教わるかもしれませんが、基本的に疑問詞を使った疑問文には、”主語+動詞+その他”を備えた普通の文で答えればよいので、無理に becauseやbyを使う必要はありません

 
 2問目では、2つある絵の内の1つ目について、「描かれている人物が何をしているか」を説明(列挙)するように求められます

 これに対しては、普通の進行形の文で答えればよい

 また、その際の主語は、単純に”A man”や”two girls”といった普通名詞を使います
 (代名詞は使わないこと。これは、話し手と聞き手の間で、誰の話をしているかの了解がまだないためです)
 
 なお、試験全体を通じて共通することでもあり、英作文でも同様ですが、この問題に答える際のコツは、「言いたいことを言うのではなく、言えることを言う」ことです。

 例えば、「(ある)女の人が時刻表を確認している」様子を言う場合には、「時刻表」”timetable”が分からなくて も、”schedule”を代わりに使ったり、適当に状況を絞って、”when the next bus arrives.”などと言えばいい。確認している(check)が仮に思いつかなかったとしても、”look at”などを使えばいいのです。
 また、「(ある)女の子がゴミ箱にゴミを捨てている」ような場合には、単純に”put A into B”を使ってもいいのです。

 
 3問目では、2つ目の絵について、それが「どういった状況なのか」説明するよう求められます

 この絵のパターンは、「Aだから、B。」「A、そしてB。」の2つにほぼ決まっているため、答える際もそのどちらかを使えばよく(どちらでも答えられる場合が多い)、”~, so~.”、”~, and~.”の型を使えばよい。

 なお、andを使った文に抵抗を持つ生徒が多く見られますが、もっと自信をもってandで繋げた文を使った方がよい
 andで繋げた文というのは意味や流れの繋がりを持つ文であり、それだけで理由や目的を表すことができます。

 
 4問目では、原稿の内容と微妙に関係ある(ような、ないような)質問がされます。

 なお、ここからはパターンは決まっているが内容に幅が出てくるので、若干辛くなってきます。そのため、3問目までで点を稼いでおくことが重要です。
 
 さて、この4問目は、「~と思いますか」と、ある事柄について肯定か否定かを尋ねられ、さらにその理由を聞かれます

 当然、何について聞かれているかを理解することがまず必要ですが、答える段階においては、言い出す前に、YES とNO 、どちらを選んだ方が理由まで答えやすいかを考えることが重要です。

 そして、理由については、まず日本語で単純な文を作り、それを元にして、スマートな(簡単で明快な)英文で答えるのがコツです。
 なお、その際には、”I think,”の後に3問目と同様の型を繋げて答えると簡単に文が作れます

 
 5問目では、原稿の内容と全く関係のない質問がされます。

 ただ、質問のパターンとしては4問目に近く、「~が好きですか。」「~をよくしますか。」といった内容が聞かれ、さらにその理由などについて答えさせられます

 ポイントも4問目と同様で、まずYES, No を言い出す前に、どちらを選んだ方が理由などを答えやすいかを考えてから話しだすこと、理由については、”I think,”の後に3問目と同様の型を繋げて、スマートな英文で答えることです。

 


④原稿読み上げ(音読)のコツ

  2次試験では最初に原稿の読み上げをさせられます。

 この読み上げの配点はその後の各質問と同じなので、ここでもある程度点を取っておく必要がありますが、こ れこそ、すぐに上達するものではない。

 そのため、あくまでちょっとしたコツを教えることしかできませんが、これまでの担当生徒を見ると、以下の点を意識するだけで大分マシになるので、参考にしてください。

 
1.文の始めを強く読む

 英文の音読やスピーキングに慣れていない人は、かなりの確率で英文全体を平坦に読んでいます。
 それだと英語らしく聞こえず、それ故、聞き手側からすると聞き取り辛く、減点の対象となります。

 私のイメージでは、「波を打たせるように読む」と英語らしくなるのですが、なかなかこれは理解し辛いようです。

 そのため、より単純で明快な方法を考えたところ、各文の始めを強く読むと、全体として起伏が生まれるので、大分英語らしく聞こえる、という結論に至りました。

 これはおそらく何語でも重要な要素しょう。当然、出だしが聞こえないと、聞き手は理解しにくくなるのです。

 
2.きちんと区切って読む

 英文の音読やスピーキングに慣れていない人は、読むリズムが悪いことも多いです。

 各文の終りや意味の塊できちんと切る(拍を置く)ことをしないと、聞き手側は理解しがたい。
 そのため、どこで区切ったか分からないような読み方をすると減点されるでしょう。

 ただすぐに実践できるコツは少なく、ピリオドの後では思い切って長めに休止を入れる、前置詞の前で呼吸を入れる、主語が長ければ主語で一旦切る、 といったものくらいでしょう。しかし、これを意識して文を区切るか否かで、大分印象は変わります。

 また、以上のように区切って読み上げることで、数単語先まで視野 に入れることが可能になり、読み上げの際に詰まることも減るでしょう。

 
3.知らない単語は経験則で読み上げる

  当然、原稿を読み上げる際には、自分が知らない単語が出てきても、そこで詰まったり小声になったりせずに止まらずに読んでいく必要があります。

 発音の法則を理解するのが一番なのですが、そこまで余裕のある受験生は多くないでしょうから、試験の際には、スペルを見て、同じような構成の単語を考え、それを参考にして読むより他ありません

 なお、その際に大事なのは、「この単語も知ってますよ」とアピールするくらいのつもりで自信を持って発音することです。
 これは日本語での会話でも同様で、ゴニョゴニョ話されるよりも、発音(日本語では特にイントネーション)が多少おかしくても、はっきり話された方が聞き手も理解しやすいし、怪訝に思うことも少なくなるでしょう。これが英検の2次試験でも、重要なのです。

 


  さて、上記の内容はあくまで方法論やテクニックの話であり、対策には当然、教材などを使って実際に「演習」することも必要となります。

 その際に使うものは、市販のものであれば大差はないと思いますが、一応、旺文社の教材を薦めておきます。
 私が担当生徒の指導をする際にもこの教材を使っていますが、内容に過不足なく、比較的ビジュアル面もよいです。

 
 演習を進める際には、一人でやっても意味がないとまでは言いませんが、やはり試験官役を立ててやった方がよいでしょう。

 ただ、その際にも、きちんと試験官が述べる内容まで押さることを忘れないこと。

 上記の通り、質問のパターンがある程度決まっているからこそ、解答のパターンも組めるのであり、それを理解・意識せずに演習をしても効果は薄いのです。
 
 なお、試験官役を見つけられない場合、いわゆる英会話塾であれば、二次試験だけの対策も引き受けるところも多いでしょうから、通える範囲にあるのなら、まず確認してみるとよいでしょう。

 そして、近場に英会話塾などがない場合や、確認したが断られたという場合には、個別指導塾を利用するのも一つの手です。おそらく数件あたれば、喜んで引き受けるところがあると思われます。

 なお、準2級までであれば、「コーヨー個別指導教室」にて指導可能です(2級も可能ですが、準備に時間がかかる場合があります)。
 「コーヨー個別指導教室」については、当サイトの「生徒募集(コーヨー個別指導教室)」のページからご確認ください。


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