私は、やらせてもいいと考えています。
というのも、ゲームはそれを通じ「ルールを理解し、そのルールを使いこなしながら、効率よく物事をこなす」能力を獲得することが可能であり、その能力は勉強や、その他のものに活用できるためです。
ゲーム以外でその能力を身につけることができれば、別にゲームをやらせなくてもよいのですが、それを獲得できない場合、勉強、特に受験勉強ではかなりマイナスになります。少なくとも、英語と数学は出来ない子になる可能性が高いでしょう。
また、ゲームをやってきたタイプの生徒は、指導開始前の学力が低くても、教えた通りの解き方で問題を解き、解いていく中でその解法を理解し、より効率のよい解き方を自分で編み出せるまでに至る子が多い印象を持っています。
以上のような理由から私は子供にゲームをやらせてもよいと考えますが、そのような理由でゲームをやらせる場合には、当然、何のゲームでもよいというわけではありません。
少なくとも以下の点には注意が必要かと思います。
①内容の薄くないものを選ぶ
ゲーム内の(操作方法を含めた)ルールを理解せずとも何となくクリアできてしまうゲームでは、子どもの能力という面から考えればよろしくありません。
また、あまりに短時間でクリアできてしまうゲームは、効率性などの意識を持つことなく終わってしまう可能性が高いです。
②強い興味を持っているものを選ぶ
何でも欲しがるゲームを買い与えるのではなく、子どもが強く興味を持っているものを買い与え、それを十分に(つまり、すぐに他のゲームを与えずに)やらせましょう。
そうすれば、集中してゲームに取り組み、集中力を身につけるだけでなく、ルールを十分に理解する経験や能力、効率性への意識などを得ることができるでしょう。
③なるべく、他の子どもにも人気があるものを選ぶ
①,②を満たすゲームであっても、周りの子どもが全くやっていないゲームだと、子どもは他のゲームに気移りしやすくなるでしょう。
また、他の子どもと競う機会が多いほど、上手くプレイしようという思いから、ルールを理解し、それを使いこなす能力や、効率性への意識などを高める機会も増えると考えられます。
そして、自分だけではそのような能力を身につけられない場合であっても、他の子どもがプレイしている様子を見ることで、そのような能力を身につけることができる可能性も高くなります。
また、当然ですが、ゲームは勉強をした上でやらせるようにした方がいいでしょう。
ゲームをすることが悪いのではなく、勉強をせずにゲームをやるという、何もせずに褒美を得ようという姿勢、パターンが悪いということを保護者の方はよく理解し、そのように子どもに指導するとよいかと思います。