ある静岡県東部の塾講師のページ

英文理解のコツ

 英文を理解するコツは以下の通りである。

①頭から理解していく
 (矢印→を意識して、左から右へと一直線に読む)

②1文の中の流れを意識し、どんな内容が続くのかを【予想】(期待)しながら読む
③複数の文からなる場合は、前後の流れ、文全体の流れから文の内容を理解する
④(基本的には)綺麗な日本語訳を目指さず、内容が理解できればよしとする

 
 以上のように至極単純なことなのだが、英文が読めない、理解できない生徒はまず間違いなくこれらができていないので、徹底して行うこと。

 英語はあくまで英語であり、日本語ではない。当然、英語には英語の理解の仕方があるのである。

 そして、「英文をただ眺めていれば、綺麗な日本語訳が思い浮かぶはずだ」という意味不明な自信は捨てること。それは、学校英語によって植え付けられた幻想である。
 

 例として、以下の英文を使い、理解のプロセスを考える。

e.g.1- I use furoshiki to carry these bottles without breaking them.
 
 文法要素を見れば、to-不定詞の副詞的用法と、前置詞withoutが副詞的に働いている文であるが、文の後ろ(without ~)から、あるいは文の真ん中(to ~)から理解せずに、必ず頭から理解すること
 ある程度語彙や文法の知識がついている生徒ほど、余裕をこいて、真ん中のto~や後ろのwithout~から理解するだろうが、そういった生徒は、複雑な文になると、全く手が付けられなくなる。各要素の意味が掴めなくて、そこで思考が停止してしまうからだ。特に、多少複雑な関係代名詞や分詞修飾が使われだすと、そういった生徒の多くは英文が全く理解できなくなる。接触節などはお手上げといった感じか。いくらか覚えのある生徒もいるだろう。文は頭から順に理解する(①)。これをまずは徹底すること。
 

 さて、to-不定詞やwithoutの訳を飛ばして、この文を頭から理解すると、「私は 使う 風呂敷を ( ) 運ぶ これら ビンを ( ) 壊す(こと) それらを」となる。
 あえてto-不定詞とwithoutの訳を飛ばしたのは、文を頭から理解していけば、分からない部分があっても推測できるということを示すためである。

 まず、「私は風呂敷を使う」→「これらのビンを運ぶ○○」という流れであれば、ほぼ間違いなくこの2つの文の関係は、「私は風呂敷を使う」→「これらのビンを運ぶために」となると推測できるだろう。実際、この文のto carryは副詞的用法で使われているので、そのような意味になる。

 次に、「私は風呂敷を使う。これらのビンを運ぶために。」→「これらを壊す(割る)○○」という流れを見ると、ビンを運ぶのに風呂敷を使うのは、壊さずに運ぶためにほぼ決まっているので、withoutの意味合いが分からなくても、「これらを壊さないで(壊さずに)」という意味であると推測できる

 以上のように、頭から理解をしながら(①)、1文の中での流れを意識して読めば(②)、例え分からない単語や文法要素があっても、e.g.1-のような短く、前後に文のない単文でも理解できるのである。

 
 ②については、もう少し分かりやすい例を挙げておこう。

e.g.2- I know he went to kyoto by train with Kumi last month.

 予想(期待)しながら文を読むというのは、以下のように読み進めるということである。

1.「私は知っている」の後には、「何を知っているのか」が来るはずである。
2.「彼は行った」の後には、「どこに行ったのか」が来るはずである。
3.「京都へ行った」の後には、「いつ・どのように(何で)・誰と」などの情報が来るはずである。
4.「電車」とあるので、「電車で」行ったのだと分かる。
5.「クミ」とあるので、「クミと」行ったのだと分かる。
6.「先月」とあるので、「先月に」行ったのだと分かる。

 

 敢えて単純な例文を使ったが(といっても、that節が使われている文なので、英語が本当に苦手な生徒にはこの英文の理解さえ、決して容易ではない)、例え文の構造や内容のレベルが上がっても、基本的な読み方は同じである。
 文法知識、構文知識、語彙、その他世の中に関する理解と知識といったものは、この基本的な読み方で読み進める中で使っていくものだということを意識してほしい。


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