ある静岡県東部の塾講師のページ

公務員試験-専門科目(大卒程度)

 法律と経済、どちらか一方を捨てるという人がたまにいるが、そのような愚かなことはしないことをお薦めする。

 どちらも捨てるには配点が高すぎる。また、満点を取るのに必要な努力は、どんな試験においても、6割や8割を取るのに必要な努力よりも果てしなく大きいものである。

 どうしても辛い科目があれば、その科目はよく出題されるところを中心に、さっさと済ませてしまうのがベストだろう。

 


・憲法

 憲法は基本的に『スーパー過去問ゼミ』だけでよいだろう。

 憲法のスー過去は特に質が高く、知識のまとめのページでいまいち理解できないところがあったとしても、問題を通じて理解できるようになっている。
 なので、法学部出身でない人もスー過去からあたり、どうしても理解できないところや、知識を補足しておいた方がよさそうなところだけ、その都度、専門書などで確認すればよいだろう(法学の専門書は高いので、友人などとシェアするか、図書館などで借りることをお薦めする)。

 

 なお、以下全ての専門科目で同様であるが、国家総合職を狙う生徒は、スー過去だけでは(基本的には)足りない。
 出題数の多い科目と、自分が得点源としたい科目については、専門書(いわゆる「基本書」)を通読した上で、過去問の演習を十分に行うこと。


・民法

 民法は、範囲も広ければ覚えるべき内容も多いので、効率よく学習を進めることがかなり重要になってくる。

 そこで私がお薦めするのが、出るとこ過去問セレクトのシリーズである。

 (私はこの旧版である『70点で合格』シリーズを使ったが、)このシリーズのよいところは、奇問・超難問などを排除した上で、レベルを2段階に分けている点にある。

 「自分が受ける」試験でよく出題される分野、自分が得点源としたい分野については、2段階両方を押さえ、それほど出題されない分野、苦手な分野は1段階目だけ押さえるという使い方をすれば、それほど時間をかけずに民法を終えられる。

 
 受ける試験や、目標得点率によっては、少し問題演習の量が足りなくなるかもしれないが、そのような場合には過去問で”補う”こと。


・行政法

 行政法は、憲法や民法などと比べれば、押さえるべき範囲は狭いのだが、覚えるべき内容が多いので苦戦する人も多いかもしれない。

 私からのアドバイスは、行政法の学習は、憲法の学習がある程度進んでから行うということだ。それは、憲法と行政法は内容が被る点が多く、また、憲法の知識がないと上手く理解できない点も多いためである。

 なお、教材についてはTACのシリーズをお勧めする。

 
 なお、どの法律科目にも言えることだが、知識のまとめのページを読んだだけでは、いまいちよく分からないところも多いだろう。しかし、問題演習まで続けて行えば、それら知識を理解できることが多い。なので、まとめのページはまずさっと読み、問題を解く際にもう一度確認するようにして使うことをお薦めする。


・刑法・商法・労働法

 刑法や商法、労働法が出題される試験は限られており、また、出題数も多くないため、やるのであれば『法律5科目 まるごとエッセンス』で概要を掴み、過去問で演習を行うという方法を採るとよいだろう。


・政治学・行政学・社会学・社会政策

 社会学は微妙だが、政治学と行政学は多くの試験で出題されるのでやっておいた方がいいだろう。

 ただし、出題数が少ないことが多いので、『行政5科目まるごとパスワード neo』を使って概要を掴んだ上で、少し過去問演習を行うという方法を採ることをお薦めする。

 
 なお、政治学については、憲法や教養の社会科学と被るところが多いので、そのような分野を確実にこなし、他の分野については出題頻度の高いもののみ過去問演習と合わせて行うとよい。


・国際関係論

 国際関係論も多くの試験で出題されるが、政治学などと同様に出題数はあまり多くない。

 なので、過去問セレクトのシリーズを使い、頻出分野のみ一段階目の問題をこなし、余裕があれば最頻出分野については二段階目の問題までこなすようにすればよいだろう。
 (過去問セレクトシリーズについては、当ページの民法の項目も参照)。


・ミクロ経済

 経済学は問題数が多いが、経済学部出身などでない限り取り組みにくいと思われる。

 なので、(経済学部出身などでない場合は、)ミクロ・マクロについては、入門書から入ることをお薦めする。(経済学部出身などであれば、いきなりスー過去でよいだろう)

 
 なお、入門書としてお薦めするのは、『最初でつまずかない経済学 ミクロ編』である。

 経済学はその「考え方」を掴めないと理解し難いのだが、この本はそれをよくカバーしている。これをこなせば、ミクロの基本は十分に身につくはずである。

 そうしたら、後はスー過去などで演習を行えばよい。問題のパターンが他の科目に比べ限られているので、案外得点できるようになるはずだ。


・マクロ経済

 マクロ経済についても、ミクロと同じようにこなせばよい。
 (マクロの方が理解しやすいので、きちんとこなせば得点源に出来る人が多くなるだろう)

 
 お薦めの教材は、『最初でつまずかない経済学 マクロ編』と、スー過去。

 

 なお、「ミクロとマクロ、どちらからやるべきですか?」という質問を受けたことがあるが、基本的には、「ミクロを少しだけ進めてからマクロも始める」という形で、並行して進めると良いだろう。そうすることで、経済学の用語や数式に慣れつつ、相互的な理解が可能になるので、学習が進めやすくなると思われる。


・財政学

 財政学は出題数自体は多くないが、ミクロ・マクロ経済の内容と被るところが非常に多いこともあり、得点源にしやすい科目である。
 また、財政学の知識は、教養試験の問題などを解く際にも有用なので、しっかりやっておいた方がいい。

 
 進め方については、ミクロ・マクロをこなした後に『新クイックマスター 財政学』などを使い、財政学特有の分野の知識を補足しながら、問題演習を行えば十分である。


・経営学

 経営学を受験で使う人は多くないと思われるが、そこそこ得点しやすい科目であり、また、案外出題される試験が多い

 ミクロ・マクロと違い、経済学部出身でなくとも容易に理解できる内容ばかりなので、受験する試験で経営学が出題される人は、頻出分野を中心に早めに学習しておくことをお薦めする。

 
 教材は、TACのシリーズがいいだろう。

 

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